[R18] 優しく俺様系で女が好きな天才新社会人、異世界を救う (JP) – 1章 3節 19話 異世界の女神 – デスゲーム (マナリスの視点)


前書き

青年男性向け – ソフト – R18

第3節 幼馴染 (第1章 勇者の村)

第 19 / 26 話

約 13,300 字 – 21 場面 (各平均 約 630 字)


1/21.「」が全くいらっしゃいませんね……。

裕太さんが全くいらっしゃいませんね……。

アンさんへのメッセージも全く既読が付きませんし念話も通じません……。

*アンは酷く落胆し世界政府から帰宅後寝込んでいる。*

*またマナリスは魔法の世界の神であり科学の世界の神々には届いている通知はもちろんきていない。*

「ラブリス、アンさんから何か連絡はきていませんか?」

マナリスは裕太が来るのをまだかまだかと待っていたのだがアンへのメッセージも全く既読が付かず念話も通じない為様子がおかしいと思いラブリスに何か連絡がきているか訊いた。

「いえ、何もきてませんよ」

ラブリスはマナリスに返事をした。

「そうですか……分かりました……」

マナリスはその当ても外れ残念がった。

そしてラブリスはアン側に何か問題が起きているのではないかと思い――。

*「凛穂さん、例の勇者はいつ来るんですか?」*

――アンの天使長 凛穂に念話で裕太がいつ来るか訊いた。

*「ラブリスさん。現在科学の世界では大規模な拉致事件が発生しており裕太様も拉致されてしまって捜索中ですが行方も分からずそちらへ送る事が出来ません。申し訳ございません」*

凛穂は慌てた様子で計画が崩れた事を話した。

*「いえ、事件に巻き込まれてしまったのなら仕方無いです。早速マナリス様に報告するので失礼します」*

ラブリスは凛穂との念話を切ると――。

「マナリス様!大変です……!」

――マナリスの部屋をノックした。

「何事ですか?どうぞ入ってください」

マナリスは緊急事態だと思い少し焦りを覚えながらもいつもの様にラブリスに部屋に入る許可を与えた。

「マナリス様……!今科学の世界で大規模な拉致事件が起きてるみたいで例の勇者も連れ去られちゃったみたいです……!」

ラブリスは慌てながらマナリスに報告した。

「そ、それは大変です……!――今すぐアンさんのもとへ行ってきます……!」

マナリスはアンの事が心配になり早速アンに会いに行こうと決意した。

かくしてマナリスはアンのいる亜空間へとテレポートした。


2/21.「『』どうぞいらっしゃいました」

そしてアンのいる亜空間へとテレポートしたマナリスは――。

「マナリス様、どうぞいらっしゃいました」

「凛穂さんこんにちは」

「はい、こんにちは。さぁこちらへどうぞ」

――凛穂に出迎えられ応接室へと案内された。

「ところでラブリスから話は聞きました。アンさんの様子はいかがでしょうか?」

マナリスはソファに座ると早速アンの様子についてを訊いた。

*凛穂とラブリスが会話している間に別の天使が紅茶と茶菓子を用意している。*

「アン様は先程世界政府から帰ってきたばかりですが突然の事にショックを受けており自室で寝込んでおります」

凛穂はマナリスにアンの事を話した。

「そうだったのですか……それで、差し支えなければ今起きている事について分かっている事を教えていただけませんか?」

マナリスは科学の世界で何が起きているのか教えてほしかった。

「はい。現在ティアラ様の世界ではデスゲームを目的とした拉致事件が起きているそうで世界は緊急停止され神々と天使達は亜空間などでの自宅待機を推奨されています」

凛穂は現在報道されている内容に沿ってマナリスに報告した。

「それは大変な事になってしまいましたね……わたくしとしても出来る限りの協力をさせてください」

マナリスはアンの為にも自分の為にも裕太の捜索については協力を惜しまないつもりだった。

「それはありがたい申し出ですが既に政府の捜査当局が動いておりこの規模ですと私達に出る幕は無いかと……」

凛穂は自分達でどうにか出来る次元をとうに超えていると思っていた。

「そうなのでしょうね……ところでこの件をレーナさんと共有しても良いですか?」

マナリスは頼りになる賢いレーナなら何か解決策を考えてくれるのではないかと思いレーナと情報を共有したかった。

「はい。ぜひお願いします」

凛穂は落ち込んでいるアンを今癒せるのは友達だけだと思っていた為情報を共有してくれるのはありがたかった。


3/21.「『』ごめん」

そしてマナリスが「今科学の世界では大規模な拉致事件が起きているそうですね。レーナさんの勇者様は無事ですか?ところでアンさんの勇者様は連れ去られてしまったそうです。それで今わたくしはアンの家にいます。レーナさんならどうなさいますか?レーナさんの意見を聞きたくて今回メッセージを送らせていただきました」とレーナにメッセージを送ると――。

――すぐに既読が付き「私は無事です。今行きます」とメッセージが届き――。

「気付けなくてごめん」

――レーナがそう言って応接室に直接テレポートしてきた。

「どうぞこちらに」

凛穂は空いているソファを手で差した。

「どうも」

レーナはそのソファに座った。

「いらっしゃるのが早かったですね」

マナリスはレーナの即断即決と行動の早さにいつもながら驚かされていた。

「まぁね。で、アンの様子は?」

レーナはこの場にアンがいない事に気付き早速アンの様子を聞いた。

「ショックで寝込んでいるそうです」

マナリスはレーナにアンの事を話した。

「ならアンの部屋の外からドア越しで声を掛けられない?」

レーナは先ずは声掛けからだと思っていた。

「良いですね。しましょう」

マナリスはレーナの案に賛成だった。

「ではこちらへどうぞ」

凛穂はマナリス達をアンの部屋へと案内しようとした。

「はい」

マナリス達は凛穂に付いて行った。


4/21.「『』がお越しです」

そしてアンの部屋の前に着くと――。

「アン様、お友達がお越しです」

――凛穂がドア越しでアンに話し掛けた。

「友達って……?」

アンは少し嬉しくて返事をした。

「わたくしマナリスとレーナさんですよ」

マナリスは凛穂に声を掛けた。

「え……!?な、なんで来たの……?」

アンはマナリス達が来た理由が分からなかった。

「もちろんアンさんの事が心配だからですよ」

マナリスは本音を言っていた。

「そうだよ」

レーナも同じ気持ちだった。

「でも私今部屋から出るつもり無いから……!」

アンは友達が来てくれたのは嬉しかったものの部屋から出る元気が無かった。

「部屋から無理して出なくても大丈夫ですよ。この状態でお話ししましょう」

マナリスはアンと会話するにしてもドア越しでも問題無かった。

「別に良いけど……」

アンは口を動かすだけなら何とかなりそうだった。


5/21.「なら早速だけど何が有ったの?」

「なら早速だけど何が有ったの?」

レーナはアンに語らせる事でストレスを解消させる事を目的として早速何が有ったのか訊いた。

「いきなり訊くわね……!まぁ良いけど……裕太が何か変な奴に攫われちゃったのよ……」

アンはその時の事を話した。

「その人はどんな奴だった……?」

レーナはアンにその者の特徴を訊いた。

「なんか悪ガキって感じだった……でもアイツきっと女の子だと思う」

アンはその者は何となく女の子なのではないかと思っていた。

「悪ガキっていう特徴は報道と一致するね。ソイツはクロノスっていって最近までカトラス様の世界の監獄に収監されていたらしい」

レーナは知っている事を話した。

「そう……」

アンはクロノスの事などどうでも良かった。

「でもどうしてそんな方が刑務所から出てこられたのでしょうか」

マナリスはアンから引き継ぎ質問した。

「情報は錯綜(さくそう)していて脱獄したとか誰かが手引きしたとか色々な説が有るけど詳しい事は調査中みたい。でもあの監獄を脱獄出来たとはとても思えないし誰かが手引きしたんだと思う」

レーナはデスゲームマニアのクロノスのゲームを楽しみたい何者かがクロノスの放流を手引きしたのではないかと考えていた。

「デスゲーム……物騒ですが暗黒街に行けば何か分かるかもしれませんね」

マナリスはデスゲームと聞いて暗黒街に行けば何か分かるのではないかと思った。

「多分分かると思う。何やらもう出場者の名簿も共有されていて賭けとか視聴契約も始まっているみたい」

情報通のレーナは神々の動きも掴んでいた。


6/21.「どの様に『』するのか見てみたいです」

「わたくしは賭博には興味有りませんが裕太さんがデスゲームでどの様に活躍するのか見てみたいです」

マナリスは視聴には興味が有った。

「私は嫌よ……死んじゃうに決まってるでしょ……!」

アンはさすがに裕太でも死んでしまうと思っていた。

「んー。私は良い線いくと思う。あの話が本当なら」

レーナは自分の目で見ない限りは判断出来なかったがもしあの話が本当なら……とは考えていた。

「あの話……?」

アンは話に興味を持った。

「まぁまぁ。とりあえず暗黒街に行ってみませんか?」

マナリスはアンにその事を知られると困る為話を遮(さえぎ)りお出掛けを提案した。

「私は嫌よ……」

アンは出掛ける元気が無かった。

「今回は私が奢(おご)る。投資で儲かっているし」

堅実なレーナはアンが豪遊と投資の失敗で財産を減らしマナリスもマナリスでハイランク魂を買いまくっているのを知っている為傷心中のアンにお出掛けの元気を出してもらう為にも過去の自分の罪の清算をする為にも奢る決心をした。

「レーナさん、わたくしは平気ですよ」

マナリスは友達に奢ってもらうなんて申し訳無くてとてもじゃないがさせられなかった。

すると突然アンの部屋の扉がバン!と開き――。

「行くわよ!」

――元気いっぱいのアンが出てきたのだった。

かくしてマナリス達はアンが仮面も無しに行きそうになるが慌てて仮面を付けさせてから暗黒街へテレポートしたのだった。


7/21.「『』見てかない?」

そして――。

「ねぇせっかく来たんだし事務所見てかない?」

――アンは久々に事務所に顔を出してみたかった。

「そうしましょう!」

「良いよ」

マナリスとレーナも賛成だった。

かくしてマナリス達は事務所に向かった。

そして事務所に着くと――。

「会長方(がた)、ようこそいらっしゃいました!」

「久しぶりエイなんとか!」

「『エイヴリル』です……」

――いまだにアンに名前を覚えてもらえず悲しそうにしているエイヴリル筆頭に社員達に迎えられ応接室に通された。

「それで皆様がお越しになった訳を伺っても?」

エイヴリルは3人が揃って商会に来たのが珍しくて訳を訊いた。

「アンさんが提案したのです」

「そうよ!たまには顔を出しておきたいでしょ!」

マナリス達は来た訳を話した。

「左様ですか……ところでビジネスの方は順調です。現在は皆さんがなかなかイベントに顔をお出しにならないので宣伝力を活かしきれずこじんまりとしていますがネームブランドは健在でチェスター・ファミリーとの関係も良好。今後も会長報酬は3等分で皆さんの口座に振り込まれ続ける予定です」

エイヴリルはマナリス達に事業状況を説明した。

「そ!じゃあまたね!エイなんとか!」

「え……!は、早くないか……?」

「申し訳ございません……」

「い、いえ……」

(相変わらず怒涛の人だ……)

マナリス達はアンと共に事務所を後にした。

かくしてマナリス達は久しぶりの事務所の訪問を終えた。


8/21.「よぉ、オメェら。『』はどうだ?」

すると――。

「よぉ、オメェら。調子はどうだ?」

――事務所の外にチェスター・ファミリーのボス、チェスターが部下からアン達が来た事を聞き部下を引き連れて会いに来ていた。

「ゲッ、チェスなんとか……!」

「チェスターさん」

アンは相変わらず名前が覚えられなかった。

「アンは勇者が例の事件で拉致されてしまい塞ぎ込んでいましたが私が奢ると言ったらこの様に元気になりました。――」

「ちょ……ちょっと……!」

「――もちろん私もマナリスも元気です」

レーナは正直に話した。

「やっぱアンとこの勇者もイカれちまってたか。いや、俺んとこの勇者も3人イカれちまってもうてんやわんやよ」

チェスターも被害者でクロノスを探していたのだった。

「へー。オジさんって勇者持ってたんだ」

アンはもはや悪口な事を言った。

「そりゃいるに決まってんだろ!まぁ部下達に貸したりもしなくちゃならねぇしよ。てかオメェらはまたいつになったらちゃんと仕事すんだよ?」

仕事人間なチェスターは何よりアン達にちゃんと仕事をしてほしかった。

「私は裕太が連れ去られちゃったしやる気が……」

「私も捜索と星のお手入れが……」

「私はちょっと星間戦争で……」

マナリス達はそれぞれが別の理由で仕事をする気になれなかった。


9/21.「これから『』はどこに行くんだ?」

「ったく……ドル箱の嬢ちゃん達がちゃんと金儲けしてくんねぇと俺達も商売上がったりなんだがなぁ……まぁいい。これから嬢ちゃん達はどこに行くんだ?」

チェスターはクロノスの様な有害な興行より健全な興行で大金を稼いでくれるアン達が全く仕事をしてっくれなくて頭を抱えつつもマナリス達がこれからどこへ行こうとしているのか訊いた。

「クロノスの情報収集です。――」

「ほぉん」

「――賭博や視聴契約が出来ると聞いて」

レイナは正直に話した。

「なら適当に店に入ってみると良いぜ。もうそこら中が博打(ばくち)や視聴契約の話で持ちきりよ。俺なんかもう3人にそれぞれ1億ゴールドは賭けたぜ」

*1ゴールド=1兆円、1億ゴールド=1垓(がい)円。また垓は京の1つ上。*

チェスターは自分が知っている事を教え自分の賭け金についても明かした。

「3億ゴールドってオジさんやるね!」

アンはその豪快さにアッパレだと思った。

「自分の勇者ぐらい自分が信じてやらねぇとな。でだ、今度のデスゲームはクロノス・エンターテインメントっつう会社が仕切ってるぜ。俺としちゃあ上納金を納めてくれてる分には文句はねぇが、奴らは手練れの集まりだから対立するなら気を付けろってこった。じゃあな!」

チェスターはそう言うと部下達を連れて帰っていった。

「クロノス・エンターテインメント……良い響きね……」

「そっちかよ……!」

レーナはアンが何か深い事を考えていたのかと思ったのだが案の定斜め上だった為ついツッコミを入れてしまった。

かくしてマナリス達は興行界の顔役チェスターとの井戸端(いどばた)会議を終え街に繰り出した。


10/21.「当店では『』が行えまーす!」

そして歩き始めると早速――。

「当店では世間を騒がせているあのクロノスが主催するデスゲームのご視聴契約と賭けが行えまーす!」

「食事やお酒を楽しみながら観戦出来まーす!ぜひご来店くださーい!」

「1ゴールドから賭け可能!融資も行っていまーす!ぜひ視聴契約と賭けをするなら当店で!」

――あちこちから勧誘の声が聴こえてきているしもういつもの何倍も神々や天使で溢(あふ)れ返っていた。

「なんか凄いね」

「拉致事件が大規模過ぎて停止になって世界中の神々が暇になったのも有ると思う」

レーナは核心を突いた。

「それでわたくし達はどのお店に入りますか?」

マナリスは入るお店をどれにするか訊いた。

「レーナが奢ってくれるんだからVIPのお店で良いんじゃない?」

アンはレーナが許す限りお金を使うつもりだった。

「アンさん……」

マナリスはアンの様に遠慮無く奢ってもらう事は性格的に出来ないなと思ったのだった。

「良いけどVIPのお店もたくさん有るから……」

レーナはVIPのお店一覧をスクロールさせて探したがどれも良過ぎて決定打に欠けていた。

「ならお知り合いのお店はいかがでしょうか?」

マナリスは知り合いがお店をしているのならその人のお店を応援するつもりで入店したかった。

「ならレオンハート・ラウンジはどう?」

レーナはお世話になった超能力と魔法の世界の世界神レオンハートがやっているラウンジはどうかと提案した。

「ゲッ……あのナンパ野郎の店……!?」

「アンさんそれは酷い言い草ですよ……」

アンはレオンハートという名を聞いてゾッとした。


11/21.「『』でも良いかもしれないけど」

「うん。まぁあのお店はきな臭いからベルティーユさんのアベル・クラブでも良いかもしれないけど」

レーナは癖の強いお店を挙げてしまっている自覚は有った。

「そのお店は駄目です……!」

マナリスはアベルのファン達が通うファンクラブの店舗にはアンに裕太の正体を知られてしまわない為にも連れて行きたくはなかった。

「そ、そっか……じゃあ多分一番高いけど『メゾン・ド・イヴ』、通称『イヴの館』にする?」

レーナは都市伝説のお店を挙げてみた。

「何それ……」

それはアンが全く知らないお店だった。

「『メゾン・ド・イヴ』は幻のお店ですよ……!願いが叶うかもしれないそうでうちのファンクラブの子達が必死に探してるぐらいです……!」

マナリスもぜひ行きたいお店だった。

「へー。どこに有るの?」

アンは場所が知りたかった。

「メインストリートの突き当たりに空き地が有るでしょ?」

「え、あそこに空き地なんて有ったっけ……」

「有るの。で、そこに相応しい者が来ると現れるんだと。迷信だと思うし何のお店かも知らないんだけどね」

「へー。――」

アンに空き地の印象が無いのは幻のお店「メゾン・ド・イヴ」がこの3人衆の中でアンにだけ見えているからなのだった。


12/21.「――でどうするの……!」

「――でどうするの……!」

アンは痺れがキレそうになってきた。

「観戦・賭博特化。VIP専用店『ヴァルハラ・ナイツ』。興行地区1丁目メインストリート沿い23番区画。はどう?」

レーナは良さそうな店を住所も読み上げた。

「そもそも『ヴァルハラ・ナイツ』って何?」

アンはそもそも論としてお店の名前の意味が分からなかった。

「戦士達の宴の夜って意味だと思うよ。ほら観戦特化店だから」

レーナは意味を説明した。

「でも私達はそもそも入れるの……?」

アンは急に自信が無くなってきた。

「大丈夫。私達って有名人だし商会も成功しててお金持ちのはずだよ」

レーナは客観的に自分達を評価した。

「わ、私は……」

「わたくしは……」

アンは凛穂が組んだ投資予算をハイリスク・ローリターンの投資に勝手に突っ込んだりしておりマナリスはマナリスでハイランクの魂の購入やお金に困っている神々に無償で貸したりしている為それの防止柵としてアンは凛穂にマナリスはラブリスにお金が無いと思わされており裕福という自覚が無かった。

「今回は私の奢りだから。とりあえずこの店で良いのね?」

レーナは最終確認をした。

「もちろんよ!」

「はい!」

マナリス達はついに行く店が決まった。

かくしてマナリス達は「ヴァルハラ・ナイツ」に向かった。


13/21.「1人『』ゴールドだぞ」

そしてお店に着くと――。

「入店料は1人100ゴールドだぞ」

*100ゴールド=100兆円*

「ゲッ……!入店料が取られるんだね……!」

「私が払います」

「よし。良い夜を」

――マナリス達は入店料を求められレーナが払い入店した。

「なんかめちゃくちゃ賑わってるね……!」

「ええ。人が大勢います」

「まぁ神々だってVIPはたくさんいるからね。もちろん天使も大勢いると思うけどね」

店内はワイワイガヤガヤとしていて神々や天使が大勢いた。

「視聴契約と賭博契約はこちらで出来ます!列にお並びください!」

視聴契約をしたいお客達の列も横並びで何列も有った。

「お店で見るのと契約するのってどっちが得なんだろう?」

アンはどちらが得かを考えた。

「わざわざお店に来る手間が省けるうえに自宅から楽しめる視聴契約の方が楽だと思うけど」

忙しいレーナはオンラインで楽しめる個別契約の方が良いと感じていた。

「へー。まぁレーナが出すんだし私もそれで良いや」

アンは自分がお金を出す訳では無いのだという真理に辿り着き考えるのをやめた。

「そ、そうね……」

レーナは呆れるしか無かったがそれと同時にアンがアンらしくいてくれてホッとしている自分もいたのだった。


14/21.「それでは『』の説明を始めます」

かくして列に並び自分達の番が訪れ――。

「それではご視聴契約の説明を始めます。――」

「良いわよ!」

「はい。本契約はデスゲーム内の全てのゲームが観られる契約であり全てのカメラからの観戦が可能となっています。また契約は神1人に付き1つまでとなります。また料金は1ゴールドからで1試合ごとの賭博上限と連動しています。つまり100ゴールドや1万ゴールドを賭けたい場合料金が100ゴールドや1万ゴールドになるという訳です。また融資上限も1試合当たりその金額となります。また途中で契約内容を変更する事も可能です。それではお客様はいくらにしますか?」

――マナリス達は説明を受けた。

「どうしよう……!」

アンはいくらが良いのか分からなかった。

「賭博をしないなら1ゴールド×3人分で3ゴールドで契約出来ちゃうよね」

レーナはクロノスの消費者に優しい料金体系に感銘を受けた。

「そうですよね。しかしわたくしはいずれでも構いません」

マナリスはどの料金プランでも良かった。

「どうせなら賭けで勝負しましょうよ!」

アンは賭博も楽しみたかった。

「みんな同じ人に賭けて勝負にならない気がするけど……」

レーナは勝負になるのか疑問だった。


15/21.「『』をするのは楽しそうですね」

「確かにそうかもしれませんが裕太さん以外での賭博で勝負をするのは楽しそうですね」

マナリスもまんざらでもなかった。

「それ良いわね!」

アンはマナリスの案を名案だと思った。

「ならとりあえず100万ゴールド3名分でお願いします」

「ま、毎度ありがとうございます……!」

レーナは100万ゴールド3人分での契約を決断し店員は女の子達が100万ゴールドで契約するとは思っていなかった為驚いた。

「よし!お腹も空いてきたしなんか食べるわよ!」

「良いですね!」

「あと賭博も楽しむわよ!」

「はい!」

「他人(ひと)のお金だと思って……まぁ良いけど」

マナリス達は続けて食事と賭博を楽しむ事にしたのだった。


16/21.「あれ……!?」

すると――。

「あれ……!?ママ……!?」

――アンは遠くからティアラの声がしてティアラを見掛けた様な気がして――。

「ねぇアン、どうしたの?」

――マナリスはよそ見をしているアンにどうしたのか訊いた。

「なんかさっきママの声が聞こえて居た気がしたんだよね……」

アンはあの声と姿は十中八九ティアラだと思っていた。

「ティアラ様がこんな所に来ると思うの?」

レーナはティアラの事を尊敬しておりここはVIP専用店である事は分かってはいつつもあのティアラ様がこの様な暴力的な場所に来るとは思えなかった。

「分からないけど……でも本当なんだって……!」

アンは自信が有った。

「ま、たくさんいるから声や姿が似てる人もいるはず」

レーナはアンの気のせいだろうと思った。

「本当なんだって……!」

アンはどうしてレーナが信じてくれないのだろうとイライラした。

「わたくしは信じたいです……!」

マナリスもティアラがこの様な場所に来るとはとても思えないがアンの事を信じたかった。

「もうマナリスも何なのよー……!」

アンはマナリスまでちゃんと信じてくれなくてやってられない気持ちになったのだった。


17/21.「皆様!『』はもうお済みでしょうか!」

そして――。

「皆様!クロノス・エンターテインメントによるデスゲームの賭けはもうお済みでしょうか!プレイヤーの情報、オッズはご覧の通りです!また優勝オッズ、ステージ突破オッズもご覧いただけます!」

――賭博コーナーの司会の声が聴こえてきた。

「あ!早速賭けるわよ!」

アンはもう頭の中が賭けでいっぱいになっており移動しようとした。

「はい!」

もちろんマナリスは元気良くレーナはヤレヤレ顔で付いて行った。

すると――。

「お三方(さんかた)は誰に賭けますか?」

――賭博担当の店員のお姉さんが声を掛けてきた。

「私は裕太に賭ける!」

アンの賭け先はもう決まっていた。

「わたくしも裕太さんに賭けます」

マナリスも裕太に賭けるつもりだった。

「裕太……この方でしょうか?」

店員は一覧から探しプレイヤー情報を見せ確認しようとした。

「そうよ!」

アンは同名の別人を見せられなくてホッとした。


18/21.「『』が高いですね」

「お目が高いですね。当店の超VIP達からもよく選ばれています」

店員はオッズの値(あたい)と賭博情報を見てアン達の見る目を褒めた。

「私見る目有るでしょ……!」

アンは上機嫌になった。

「他はどの様な候補がオススメですか?」

レーナは冷静に店員のオススメを訊いた。

「プレイヤー情報は皆様もご覧いただけますが有名な勇者や大貴族の勇者がオススメですよ。例えば実績で言えば私のオススメは超銀河団を持ちベルシリーズホルダーでもあるヴェルナー公の勇者クリスティアンやハイランクコレクターとして名高いミラノヴァ様のユリアなどですね」

店員はオススメを教えた。

「へー」

アンは色んな勇者がいるんだなぁとシンプルに思ったのだった。

「オススメの賭け方としてはステージ突破を予想する賭け方が当てやすいと思います。またステージ情報も公開されておりますのでそのステージに見合ったプレイヤーを選ぶのも手ですね」

オススメの賭け方も教えた。

「ご丁寧にありがとうございます」

レーナは親切にしてくれた店員に感謝を述べた。

「じゃあ私は裕太となんか適当に勝率の高いやつで……これと……これ……!」

「裕太、マルティン、ベアトリーチェの3名ですね。その3名の優勝込みですか?それともステージ突破のみですか?」

「込みで……!」

「承(うけたまわ)りました」

「わたくしは裕太さんとベルシリーズに賭けますね。あとお姉さんがオススメしてくださったクリスティアンさんとユリアさんにします。もちろん優勝込みで」

「承りました」

「なら私は……裕太、チェスター、セラフィナ、サイモン、スタニスラフの優勝込みで」

「承りました」

マナリス達は思い思いの賭けを行いレーナがそれを支払ったのだった。

かくしてマナリス達はクロノス・エンターテインメントのデスゲームが観られる様になり賭けも行いとりあえず今行われているイベントでの賭けと観戦もしながらの食事を楽しみ――。

「こんなのインチキよ!」

「賭博って難しいですね」

――レーナは大勝、マナリスとアンは大敗したのだった。

*レーナは特にアンの損害を回収する為アンとは反対側に賭ける事でプラマイゼロへ持っていきつつ結果的に大勝した。*


19/21.「ついに始まったぞ!」

そしてデスゲームが始まり――。

「ついに始まったぞ!」

「大迷宮か……」

「優勝しろトビアス!」

「うちのアレクシスは大丈夫かしら……」

「1人しか優勝出来ないんだから間違い無く死ぬわよ」

「他人事みたいにそんな事言わないでよぉ……!」

――店内では多くの神々が思い思いに自分の勇者や推しの勇者を見つめていて――。

「あ、裕太さん早速か弱そうな女の子に声を掛けましたね」

「ちょっと何してんのよ……!」

「おー。裕太君優しいね」

「当たり前ですよ!」

「何でマナリスが誇らしそうなの……」

「私以外の女に優しくしないでよ……!」

アンは嫉妬を爆発させた。

「へー、勇者から名前を貰うのってこんな感じなの?」

「きっとそうだと思いますよ」

「グヌ……グヌヌヌ……何で声が出せないのよ……!」

アンは裕太がこんなに優しいのは優美華が声を出せないのがそもそもの元凶だと思っていた。


20/21.「あ……!『』を繋いだ……!」

「あ……!手を繋いだ……!」

「裕太さん、優しいお兄ちゃんみたいですね♡」

「あの女絶対演技よ……!嘘吐き……」

「いや、あの子は本当に声が出せないんだと思うよ。失語症みたいだから」

レーナは優美華に同情していた。

「だとしてもよ……!」

アンはその状況が解せなかった。

そしてアンの思いとは裏腹に裕太と優美華がどんどん仲良くなっていって第1ステージ最終日にマナリス達はアンの家で観戦していると――。

「ステージ突破おめでとう!」

「やりましたねアンさん!」

「うん……」

――アンは賭けが当たり大金を得たのだが全く嬉しくなかった。

*モールスの内容やプレイヤーの心の内なども放送されている。*

そして優美華が裕太に夢を打ち明けると――。

「あらまぁ!」

「大胆な告白の仕方だよね」

「泥棒女の告白は振るのよ!」


21/21.「あちゃー」

――アンは裕太に優美華の夢を拒否してほしかったのだが――。

「あちゃー」

「アンさんがあの子も星に迎えたら良いのですよ!」

「『僕もそれが夢だから』って何よ……私との約束はどうしたのよ……ふさけんじゃないわよ……」

「そうカッカしなくても。裕太は前世の記憶無いんだし」

「そうですよ。裕太さんはおそらくあの場で最適な行動を取っているだけだと思います」

「そもそも私が会いに行くところだったんだもん……!てかずっと前に会いに行くねって約束してたの……!」

「なら会いに来てくれなかったから諦めて優美華ちゃんにしたんじゃないか?」

「もうバカー!」

――アンはショックで部屋に籠(こも)って泣いてしまった。

そしてマナリス達はアンを慰めアンと共に観戦を再開したものの――。

*「ナイスショット!☆ゲーム終了~!☆――優美華ちゃん最後に失語症が治って良かったね☆」*

「もう何でなのよ……!」

「クロノス最低」

「アン……」

――衝撃的な場面になりアンは号泣しマナリスは号泣するアンを慰めた。

そして――。

「お、おい。クロノス何やってんの……」

「おぞましいです……」

「ヴォエー!」

――クロノスが裕太を死姦し始めアンは号泣しながら豪快に嘔吐(おうと)したのだった。

かくしてデスゲームは衝撃的な場面で終わり神々は大いに盛り上がりアンは賭けに大勝し大金を得たもののそれがが全く気にならない程のショックに襲われ引き篭もりになってしまったのだった。

やはり彼はアベル様です……!♡間違い有りません……!♡

一方でマナリスは裕太が星にやってくるのが楽しみで楽しみでしょうが無くなっていたのだった。


後書き

アンの嘔吐はそれはそれは見事なマーライオンでした。

ところでレーナがチェスターに賭けたのはチェスター・ファミリーのボス チェスターとの話題作りの為です。

まぁアンマナレー商会が上手い事立ち回れているのは外交上手なレーナの手腕によるものという訳です。

ちなみにマナリスは全て録画しておりそれはそれは役に立つのでした(笑)