[R18] 女性を愛する天才の俺様、異世界を救う (JP) – 1章 1節 4話 メイドの女天使 回想(凛穂の視点)
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R18
第1節 地球の女神(第1章 勇者の村)
第 4 / 12 話
約 5,500 字 – 7 場面 (各平均 約 780 字)
1/7. 私はメイドの「」です
私は裕太様に仕えてるメイドの凛穂です。
しかしその正体は地球の女神アン様に仕えてる天使なんです。
私はアン様に命じられ裕太様の事を産まれてからずっと見守ってきました。
私が裕太様と初めて言葉を交わしたのはメイドの面接の時でしたね。
裕太様がメイドの求人を出しましたからこれ幸いにと私は応募したんです。
まぁ正直裕太様の命を守るだけでしたら私がわざわざ裕太様に仕えるメイドになる必要なんて無かったです。
しかしそれでも私は裕太様のメイドになると決めました。
と言いますのも裕太様の人格が素晴らしかったからです。
私はこの星の創成期からいる天使です。
ですからこの星で今までに無数の人を見てきました。
その為私には人を見る目が有ると自負してます。
それに私は裕太様をずっと見てきたんです。
私からすれば裕太様の行動は「驚愕」の一言です。
2/7. 彼は高校までずっと「」でした
彼は高校までずっと生徒会長でした。
彼が生徒会長になったのは自分がリーダーになる事で学校から虐めを無くす為でした。
彼が進学し早々に勉強をしてたのも勉強に付いていけない子達が出てきてしまった時に備え自分が勉強を教えられる様にしてたからです。
そして高校では腐敗し権力と財力欲しさにわざわざ留年までしてた女性の生徒会長を告発し長年続いてた負の連鎖を断ち切りました
「素晴らしい」の一言です。
元生徒会長は自分が生徒会長で居続ける為に生徒会に集まってた生徒達を誰一人正式な生徒会員にはしてなかったんです。
生徒会長自身だけが正式な生徒会員で居続ければ自分で自分を生徒会長に指名し続けられるからです。
そしてその元生徒会長は自分では一切仕事をしてなかったうえ驚くべき事に生徒会室に家電製品を一式揃えてたんです。
そして室内を散らかし放題にし女子のクラブの子達と癒着しその便宜も図ってたんです。
さらには生徒会の活動中であるにも関わらずその女子のクラブの子達の接待を受け平気で会話もしてたんです。
そして呆れる事にその生徒会長とその取り巻きは気が向けばカードゲームまでしてたんです。
3/7.『』を終わらせました。
彼はその様な彼女の腐敗した生徒会体制を終わらせました。
そして生徒会に集ってた生徒達を皆正式な生徒会員にしたんです。
そのうえで正式に生徒会長指名の多数決を行い彼は見事に正攻法で生徒会長になったんです。
そして生徒会の誰もが本人が希望する職に就ける様にしたんです。
そして彼は彼女がしてた女子のクラブへの予算や校内の場所割りといった厚遇も終わらせ男女の扱いを平等にしたんです。
さらに彼は不登校になってしまった彼女にすら優しさを見せました。
彼女の家とは家の帰る方向が違うにも関わらず毎日通い説得し続けたんです。
その甲斐も有り彼は彼女を改心させる事が出来ました。
そしてなんと彼は彼女を副生徒会長に抜擢したんです。
彼は彼女にセカンドチャンスを与えその後3年間学校に平和な生徒会体制をもたらしました。
私は「今度はこの度生徒会長になった彼が前生徒会長の様に権力を濫用し腐敗してしまうんではないか?」と危惧しましたが決してその様な事にはなりませんでした。
彼は生徒会費を一切着服せずその全額を正しく使ったんです。
彼はいじめの予兆が有ればそれを阻止し勉強が分からない生徒には優しくとことん勉強を教えお金に困ってる生徒やその家族の為に自ら会社まで作り雇ってたんです。
それも何ら見返りを求めず何らの下心も無く、です。
4/7. 私はこの星の天使として
私はこの星の天使として守護者の一角として人々の営みへの介入は最小限にしたいと考えてたんですが、私だってこの星やそこに住む人々の幸せを願ってますから彼の活動を助けたいと常々思ってたんです
しかし私は常に彼の傍にいなければならなかったんですから彼の傍にいられる秘書か使用人にと考えてたんですが、彼は秘書の仕事を求職者に割り振ってしまったんです。
そもそも私は彼からすればどこの馬の骨とも分からない存在です。
その為私には秘書に立候補する勇気が無かったんです。
もし私が立候補して選ばれたとしてもそれは「求職者から仕事を奪ってしまう事に繋がってしまうんではないか?」と思うと心苦しかったのも有ったんです。
しかしその様な時に彼がついに洋館を買い使用人の求人が出たのを機にこれ幸いにと応募したんです。
私は……この社会から見れば異端者です。
何故なら住所が無く電話番号も無く保護者もいないですし、いえ、強いて言うなら保護者はいてそれは女神アン様なんですが、天使の私はアン様に頼ってはいけない為いないも同然ですし学歴も無く収入も無く所得税なども払っていないんです。
私自身この社会に馴染もうと努力してた時は有りました。
何度も有りました。
私が働いて稼いだお金を全額困ってる人に寄付したいと何度も思ったんです。
しかし信用も身分も証明出来ない私はこの社会で職に就く事すら出来なかったんです。
5/7.『』を貰えなかったんです
その事をアン様に何度も相談しましたが「どうしたら良いかなんて私に分かる訳無いじゃない!自分で考えて!身分ならそうね……私がいじってあげるから適当に作るか盗んじゃいなさい!」といった具合に誰にも迷惑が掛からない解決策を貰えなかったんです。
そして職を探し続けてた私を風俗に紹介しようとしたり「愛人になるなら雇ってやる」などと提案してきた方々もいたんですが私はもちろんその様な申し出を全て断ってきました。
ですから私にはお金が無いんです。
誰かを社会的に助ける力が無いんです。
その様などこの馬の骨とも分からない私を彼は即断で雇ってくれました。
さらに彼は私に「お仕事は私の『使用人』でなくとも宜しいのでございますよ?」と「好きな仕事をして宜しいのでございますよ?」と仕事を選ばせてくれただけでなく大学院までの学費や勉強のサポートまでしてくれると約束してくれたんです。
そして名前が無かった私に「凛穂」という名前までくれました。
その名前の由来は「私が凛々しく実る程頭を垂れる稲穂の様に謙虚でございますので」と言ってましたね。
名前を貰った経験が無く、いえ、「1号」はノーカンですが、褒められた経験もあまり無い私にとっては大変嬉しかったです。
正直私は彼を産まれた時から見守ってきてますから私は彼の母親の様な気持ちで彼を見てました。
その感慨深さが有るだけでなく私は今まで見る事しか出来なかった彼の優しさに直接触れられて改めて大変彼の人柄に感激しました。
6/7. 分かってたんです
そして私は分かってたんです。
いつか私も彼に口説かれるのだろう、と。
しかし私は彼に口説かれたくなかった訳ではなかったんです。
私は心の底から口説いてきてほしいと願ってたんです。
何故なら私が彼に口説いてもらえなければ「私には彼が口説いてきた女性達の様な魅力が無いんだろう」、「私はつまらない女なんだろう」と自分がきっと落ち込んでしまうと分かってたからです。
その様な私を……彼は口説いてくれました。
とても嬉しかったです。
少なくとも私は彼にとって「口説き甲斐も無い魅力が無い女」ではなかったんです。
しかし彼は私が彼が産まれた時から見守ってきてる事も私の正体が天使である事も知りません。
私にはその背徳感が有り彼を騙し続けてる事を申し訳無く思いながらも私は彼のメイドとして日々人々を助けてる彼の私生活を支えられてるこの生活を謳歌してました。
彼は私が助けたい方々を力を持たない私の代わりに彼が持つ力を行使して助けてくれてます。
そしてその様な私を一人の女としても愛してくれてるんです。
7/7. 愛してます
私はその様な優しい彼を愛してます。
その様な彼は正真正銘の天才なんですが、しかしどうも女の勘の鋭さについては見誤ってる様です。
私は彼には他に女がたくさんいる事だって知ってます。
彼は気づかれていないつもりですが私も含めて皆「他にも女性がいるのだろう」と思いながらや顔見知りになって妥協し受け入れてるんです。
しかし私はそれでも良いんです。
女性の友達もたくさん出来ましたし交流するのも楽しいですし。
しかし私は彼からの誘いを断り続ける事がずっと心苦しかったんです……。
それでも私はこの様な生活が幸せでした。
しかし私が仕えてるアン様がついに動き出したんです。
アン様は彼を勇者にしてしまいました。
そして今正に彼を危険な異世界に行かせようとしてるんです。
アン様に仕える天使である私にはそれを止められません。
あの世界は……確かに助けるには彼を行かせるしかないんでしょう……。
しかし私には何か裏が有る様に思えてならないんです……。
アン様は彼の前では猫を被ってましたが……いえ、あれが素なんでしょうが……。
アン様には目的の為なら何でもする一面が有るんです……。
私がアン様により彼との性交渉が解禁されたのは大変嬉しいんですが……私は彼の事が心配で無事を祈る事しか出来ず……それが大変もどかしいんです……。
裕太様、今までの言動を鑑みれば貴方様は正しく勇者様です……そして1人の女として私を愛してくれてる裕太様を私も遥か昔から愛してます……どうか無事と早い帰還を祈っています……。
かくして凛穂もメイドの仕事をしながら裕太の無事を祈り帰還を待っていたのだった。
後書き
私は元々大正ロマン寄りの文章を好んでいまして当初なろうに投稿していた時は読点を、一例を挙げるなら作中の一文に特別に付け加えて「何故なら、私が彼に口説いてもらえなければ、『私には、彼が口説いてきた女性達の様な魅力が無いんだろう』、『私は、つまらない女なんだろう』と、自分がきっと落ち込んでしまうと分かってたからです。」という様にめちゃくちゃ使っていたのですが――。
――今ではこの文章で言えば実際は「何故なら私が彼に口説いてもらえなければ『私には彼が口説いてきた女性達の様な魅力が無いんだろう』、『私はつまらない女なんだろう』と自分がきっと落ち込んでしまうと分かってたからです。」と読点は接続の1つに留めていますからね。
その様な訳で人は進化するものだなとつくづく思います。
話は変わりますが作中の主人公の言動に下心が無かったのは本当です。
何ででしょうかねぇ。まぁお人好しなのは間違い無いです。
それにしても、いやぁあの生徒会長は本当にえげつなかったです。
わざわざ留年までしてる生徒会長なんて他にいるのでしょうかね?
年間で100万円を自由に使える権力は中々手放せなかったのでしょうかねぇ。
まぁ実際は学力不足と権力・財力欲が半々といった感じでした。
そんな訳で相手の失脚後は私が勉強やピアノを教えてあげたりと淑女へ魔改造(意味深)してあげたのです(笑)
まぁ作中の彼女の成長ぶりは後に明らかになります。
しかしそれにしても彼女による腐敗は尋常ではなく生徒会室には家電製品まで一式揃っていたのですから(笑)
なんせトースターまであったのです(笑笑笑)
ちなみに生徒会長がしていたカードゲームはヴァンガードです。
「この中にやってる人いる?やってる人はこっち来て」って言われた時は他の生徒達の為にも絶対に自分が「はい」と言ってはいけないなと思いました。
そしてちなみにその女生徒会長を倒した方法は校長への通報でした。
「全員の生徒会員資格を認めてほしいです」と「生徒会内で公平に多数決をさせてほしいです」と願い出て全員の生徒会員資格を認めてもらった後多数決で生徒会長不信任案を可決して生徒会長の座をはく奪し生徒会長指名選挙を経て正々堂々と私が生徒会長になったのです。
それはまるで構成員としての資格と選挙を行う資格を得る為の「公民権運動」と多数決により代表者を決める「民主主義選挙」だなと思います。
まぁ、少なくとも母校では二度とこの様な事は起こらないと思います。
と言いますのも教育委員会にもそういう腐敗が起こり得る事を報告し二度と同じ様な事が起こらない様にと校則もがっちりと作っておいたからです。
そしてもちろん彼女にもお仕置きを執行しました。
彼女は私がSMプレイを覚える良い被検体になってくれたものです(にんまり)