[R18] 優しく俺様系で女が好きな天才新社会人、異世界を救う (JP) – 1章 3節 21話 ハイランク・コレクターの女神 – 初恋 (ミラノヴァの視点)


前書き

青年男性向け – ソフト – R18

第3節 幼馴染 (第1章 勇者の村)

第 21 / 26 話

約 4,700 字 – 6 場面 (各平均 約 780 字)


1/6. 私は恋をした。

私は恋をした。

ユリアが彼に声を掛けた時は私も洗脳犯かと思っていたけれど。

彼は正真正銘の勇者だった。

私はあの子達はすぐに死ぬと思っていたのに、あろう事か私のユリアを助けてパーティーに加えて大活躍をしてみせた。

あんな勇者がいたなんて……。

思い立った私はすぐに彼の事を調べさせた。

「デスゲームのプレイヤーの『裕太』の事を調べてくれる?」

「はい。ただちに」

そして知った。

あの「アベル」かもしれないという事を。

もちろん購入を試みたけれど――。

「アンさんの『裕太』という名の勇者。銀河1つでも2つでも構わないわ。10個でも100個でもいい。貴方の言い値で買い取らせてはもらえないかしら?」

「はぁ……!?アンタがどこの誰だか知らないけど絶対に嫌……!」

――当然の事ながら断られてしまった。

それでも欲しい……欲しい……絶対に欲しい……。

私の娘が、ユリアが彼に恋をしてお邪魔虫に邪魔されて恋が成就(じょうじゅ)していかない片思いの辛さを、あの子の辛さを想えば想う程に私も彼の事が好きになっていた。

私とユリアは一心同体。だから私とユリアの幸せも同じ。

だからどうしても彼を手に入れて今度こそ無念にも散ったユリアの恋を成就させなくては……。

ミラノヴァはユリアを手放さずにむしろ裕太を手に入れてユリアと2人で一緒に裕太と結ばれたいと考えていた。


2/6.「大丈夫……?」

そしてユリアが帰ってきた。

「ユリア……!大丈夫……?」

私は倒れた状態でその場に現れたユリアを介抱した。

「あ……ミラノヴァ様……わ、私……」

ユリアは自分の体を触って傷が無いかなどを確認した。

「知ってるわ。もう大丈夫よ。貴方は無事にここに戻ってこられたの」

私は泣くユリアを抱き締めた。

「どこまで知ってるの……?」

「全てよ。クロノスのデスゲームは神々に向けて放送されていたの」

「そ、そんな……」

ユリアは自分の醜態だけでなく仲間達の頑張りが神々に晒されていた事にゾッとした。

「貴方はよく頑張ったわ。とりあえず今は自分の部屋で休んで」

ミラノヴァは一先ずユリアの心身の回復を優先させたかった。

「分かりました……」

ユリアは素直に自分の部屋に向かった。

かくしてミラノヴァはユリアを取り戻した。


3/6.「『』はどうなのかしら?」

そしてミラノヴァはユリアと食事を共にする事にした。

「ユリア。体調はどうなのかしら?」

「体調は大丈夫。でも……」

「でも、何かしら?」

「私は別にミラノヴァ様の事が嫌いで神になろうとしたんじゃないから……」

ユリアはミラノヴァに誤解しないでほしかった。

「分かってるわ。裕太君と結ばれたかったのよね?」

「うん……」

ユリアはコクリと頷いた。

「あ!結局どっちが優勝したの?」

ユリアは裕太の名を聞いてデスゲームがどうなったのか気になった。

「あの女の子よ」

「じゃあやっぱり……」

「ええ」

ユリアは裕太も死んでしまったのだと思うとやるせない思いになった。

「じゃあ優美華は?」

「神になったわよ」

「そう……」

ユリアは優美華が神になったのなら約束を守ってくれるのを期待しようと思った。


4/6.「『』と会わせていただけませんか?」

そしてもちろんあのお邪魔虫からの接触が有ったわ。

「ユリアさんと会わせていただけませんか?」

「どうして?」

「友達だからです」

「あら。貴方ユリアの友達だと思ってるの。だったらどうしてユリアが裕太君の事が好きだって気付いていたのに邪魔したの?それって友達のする事なの?」

ミラノヴァは優美華に怒っていた。

「それは……」

優美華は痛いところを突かれた。実際ユリアも裕太の事が好きなのは気付いていたし自分が常に裕太の側にいる事で裕太がユリアと仲良くなる隙を作らない様にしていたのは事実だった。

「私にとってユリアは私の大事な娘なの。そんなユリアを傷付けた貴方にユリアと会わせるつもりは無いわ。もう帰ってちょうだい」

ミラノヴァはユリアを傷付けた優美華の事がどうしても気に入らなくて帰らせたのだった。


5/6.「『』ちゃんから聞いたわよ」

そして――。

「優美華ちゃんから聞いたわよ。ユリアちゃんと会わせなかったそうね」

――優美華に約束していた通りティアラがやってきた。

「当たり前よ。私の大事な娘の恋を邪魔して傷付けたのよ?」

ミラノヴァは大事な娘を傷付けた優美華を許すつもりは無かった。

「貴方の気持ちは分かるわ。でも貴方はユリアちゃんの立場に立ち過ぎじゃないかしら?」

ティアラはミラノヴァに中立の視点を持ってほしかった。

「私が私の大事な娘の側に立って何が問題なのかしら?」

ミラノヴァはどんな時でもユリアの味方でいる覚悟が有った。

「そうね。貴方の言う通りよ。ところで優美華ちゃんが考え方を変えて裕太君をユリアちゃんともシェアしようとしているのはご存じかしら?」

ティアラは今の優美華は今までの優美華とは考え方が違うのだとミラノヴァに分かってほしかった。

「知らないわ。そもそもどうしてシェアする必要が有るの?」

ハイランク・コレクターであるミラノヴァに売却という発想が無い様に子飼いならまだしもシェアという発想も無かった。

「だって独占しようとするといつまで経っても幸せになれないでしょ?」

ティアラは経験則を突き付けた。

「どうかしら。私は自分のコレクションを独占しているし今後も独占し続けるしそれで幸せよ?」

ミラノヴァは独占が幸せにならないという理屈が分からなかった。

「幸せになれないわよ。私は裕太君の事を言ってるの。あのね?みんな裕太君の事が好きなの。そしたら誰かが独占しようとすればそれ以外みんなが不幸になるの。もちろん仲だって悪くなる。そしたらいずれ殺し合いになるの。だから仲良くシェアするしか無いのよ」

ティアラは自分の経験を語った。

「幸せになれるわ。私がユリアを幸せにする。夫をシェアなんてそんな負け組な事はさせない。ユリアが彼の正室であり唯一の妻にならないといけないの。だから話はもうこれで終わり。帰ってほしいわ」

ミラノヴァは娘の為に何でもするつもりだった。

「そう、分かったわ。残念よ」

ティアラは残念そうに帰っていった。

かくしてミラノヴァとティアラの冷戦が始まった。


6/6.「『』、聞いてよ」

そして――。

「ユリア、聞いてよ。私、いつも出席してるパーティーから招待されなくなっちゃったの……私優美華・ティアラ陣営からイジメられているのよ……」

「ミラノヴァ様……ママ……」

――傷心しているミラノヴァをユリアは抱き締めた。

そしてまたある時――。

「ユリア?聞いたかしら。優美華ちゃん、裕太君と幼馴染になって第二の人生を始めたんだって」

「そうなんだ……」

「悔しいと思わない?」

「思う……」

「じゃあ戦いましょう?」

「え……」

「ママはユリアに彼と結婚してほしいの。優美華ちゃんが言ってた様にシェアなんてしてほしくないの。ママはユリアに幸せになってほしいから」

「私……幸せになりたい……」

「そうでしょう?だったら戦うしか無いのよ」

「そうなのかな……」

「そうなのよ。ママはずーっとユリアの味方だからね。一緒に勝利を勝ち取って彼を手に入れましょう」

「うん……でもどうすれば……?」

「殺すの。敵を全員殺すの」

ミラノヴァは究極の解決方法を告げた。

かくしてユリアはミラノヴァの影響を受け次第に敵を殺さなければいけないと思う様になっていったのだった。


後書き

ミラノヴァとユリアは「娘の為なら何でもする母。母の期待に応えたい娘」という共依存の状態になってしまっています。

逆に言うとミラノヴァは母性の強い女神です。

そして手に入れた勇者達を決して売らないのも我が子という意識が強いからです。

またミラノヴァは元々野心と目標が大きい女神でありその性格ゆえに超銀河団の盟主という地位にまで至っています。

もちろんそこまでいけたのはユリアの存在が有ったからで長年二人三脚だった事も有りもはや「一心同体」になってしまっているという訳です。

ちなみに「盟主」というのは文字通り長(おさ)ですが自治体の長という側面が強く自発的に傘下に加わった者達がいる一方で抵抗勢力は軍事力によって排除してきたという感じです。