[R18] 優しく俺様系で女が好きな天才新社会人、異世界を救う (JP) – 1章 2節 24話 地球の女神 – アンマナレイ商会 – お叱り (アンの視点)

前書き

青年男性向け – ソフト – R18

第2節 異世界の女神 (第1章 勇者の村)

第 24 / 28 話

約 6,800 字 – 8 場面 (各平均 約 970 字)

1/7.「いっぱい楽しむわよ!」

これはアン達が約1億ゴールドという報酬を受け取った後の事。

「いっぱい楽しむわよ!」

アンは大量に入ってきたお金の使い方について1号の助言を無視し豪遊に使っていた。

「ここからあそこまで全部ちょうだい!」

「かしこまりました……!」

アンは高級ブランドの洋服やバッグなどを棚買いしたり――。

「この最高級コースにするわ!」

「かしこまりました。レディーアン」

――高級な食事を満喫していた。

*アンは自分の星の文明レベルがまだ中世に達していない為自分の星では満足な贅沢が出来ず神々の都市で神々価格で払ってまでするしか贅沢をする方法が無かった。*

「うんっ!美味いっ!最高っ!」

どの料理もアンにとっては初めての美味だった。

しかしそうこうしていると――。

「アンがいましたよ!」

「アン!こんなところで何を遊んでいる!」

――1号からアンが豪遊している事を聞いたマナリス達に見つかってしまった。

「ここは食事をする所よ!静かにするのね!」

アンは食事に集中したい為マナリス達には静かにしていてほしかった。

「オフィスにも来ないで何をしている」

レイナはアンが商会に来なかった為どこをほっつき歩いているのかと思っていた。

「連絡が有りませんでしたので心配していたのですよ?アン」

マナリスはアンの事を心配していた。

「そりゃだって私もう仕事したくないんだもん。あのおじさんの商品だって買えたしもういいでしょ?」

アンは1億ゴールドというもう働かなくていい程の大金を手に入れた為仕事の事は考えたくなかったし当然職場にも行きたくなかった。

「クレトさんが言っていただろう。あれだけじゃ足りないと」

レイナはマナリスやクレト達と同様にマナリスの星を改造するにあたりまだまだ改良が必要だと思っていた。

「そうですよ。3点だけでは足りません。もっとお仕事をしなければ!」

マナリスはアン達ともっと一緒にお仕事がしたかった。

「じゃあ自分のお金で買ったら良いでしょ!私は食べ歩きと買い物で忙しいの!」

アンは自分の贅沢に集中したかった。

「でも次のイベントはどうするんだ?って電話が殺到(さっとう)してるんだよ?」

アンマナレイ商会には次のイベントやアンマナレイガールズの活動を楽しみにしている神々からの電話が殺到しているのだがアンが全く職場に来ない為レイナ達は次の仕事が出来ずにいた。

「私は忙しいんだから!あんた達で勝手にやっててちょうだい!」

アンは本当に自分の豪遊で忙しかった。

「アン……」

マナリスもレイナもまるで人が変わってしまったかの様なアンの有様(ありさま)に途方に暮れてしまったのだが――。

「また働くわよ!」

――すぐにお金を使い切ってしまったアンがまた元気に職場に来たのだった。

「はい!」

マナリスはアンの性格的にこうなると予想していたしアンが戻ってきてくれて嬉しかった。

「もう働かない、みたいな感じじゃなかった……?」

レイナはアンの変わり身の早さに呆れた。

「そんな感じじゃなかったわよ!ま!お金が無くなっちゃったんだし働くちゃでしょ……!また豪遊する為に頑張るわよ!おー!」

アンはまた豪遊する為に頑張るのだった。

かくしてアンが職場に復帰しアンマナレイ商会は仕事を再開したのだった。

2/7.「何(なに)か変わった事とか有る?」

そしてアンは――。

「で、私がいない間に何(なに)か変わった事とか有る?」

――マナリス達に自分がいない間の出来事を訊いた。

「変わった事ですか……あ、そう言えばビルの前に警備員が付いたんですよね」

マナリスは警備員が付いた事を話した。

「え、まじ?」

アンは驚いた。

「はい」

マナリスは即答した。

「見てきたら分かる」

レイナはアンに実際に見てほしかった。

「分かった!ちょっと見てくるわね!」

「行ってらっしゃい」

アンは実際に見に行き――。

「ほんとにいたよ……!しかもめっちゃ!でも警備員っていうかどう見ても強面(こわもて)の黒服だったけど!でも何で?」

――大勢の警備員を見付けると戻ってきて理由を訊いた。

「はぁ……」

レイナは呆れて溜息(ためいき)を吐(つ)いてしまった。

「わたくし達あのチェスターさんにみか占め料を支払いましたよね?」

マナリスが説明を始めた。

「そ、そうだったわね……!」

アンはその時の事を思い出してきた。

「それで他のファミリーの方々もそのみか占め料を取ろうとして揉(も)めている様なのです」

マナリスはマフィア同士が揉めている事を話した。

「じゃあ他のファミリーにも払ったら良くない?」

アンはそれが唯一の解決策だと思っていた。

「駄目です……!これ以上は商会の運転資金を削(けず)れません……!」

エイヴリルはこれ以上の出費を防(ふせ)ぎたかった。

「私もそう思う。それにここはチェスターファミリーのシマだからみか占め料はチェスターさんに払っていれば問題無い」

レイナもシマの主(あるじ)にちゃんとみか占め料を納めているのだからそれ以上の出費は必要無いと思っていた。

「しかしベルティーユ様に聞いたところによるとチェスターファミリーはあくまで興行が稼業であり賭博はフロリアーノファミリーの管轄でして今までは興行で賭博をしていても少額だからと見逃されていたそうなのですがこの度(たび)のわたくし達のイベントは想像以上に大きく利益も巨額になった為フロリアーノファミリーも黙っていないだろうとの事でした」

マナリスもベルティーユから話は聞いており状況を理解していた。

「へー。じゃあどうするの?」

アンはじゃあどうするのかと訊いた。

「まぁいつも通りかと」

「そうですよね」

レイナもマナリスもいつも通りで良いと思っており――。

「分かったわ!なんだか心配して損した!」

――アンも緊張が解(ほど)け次の仕事に取り掛かってった。

かくしてアン達は聖女祭りや魔王祭りを実行し巨額の利益を上げていったのだった。

3/7.「どうしてくれんのよ!」

しかしその一方で フロリアーノファミリーからの妨害が始まりチェスターファミリーが興行で賭博をするのならと賭博の会社にアンマナレイ商会の企画丸パクリの興行をやらせ始めたのだった。

「ちょっと!私達の企画が丸パクリされてるんだけど!どうしてくれんのよ!どう考えてもあいつらに賭博のみか占め料払った方が良いでしょ!」

アン達はチェスターに文句を言いに行った。

というのもアンは賭博のみか占め料をフロリアーノファミリーに払いたかったのだがチェスターファミリーがそれを阻止していたのだ。

「嬢ちゃん達にはわりぃがこれは俺ら稼業人のプライドが掛かってる。簡単には引けねぇ」

チェスターはただシマ内からみか占め料を徴収しているだけでありそれはフロリアーノファミリーも同様でアンマナレイ商会の利益に目が眩(くら)みルールを変えようとしてきているのはむしろフロリアーノファミリーの方だったのだ。

「あとそう言えばヴコロヴィチ?ファミリーの人が物販のみか占め料を今回からでいいから払えって言ってきたわよ!」

魔道具や武具の流通を取り仕切っているヴコロヴィチファミリーも一(ひと)噛(か)みしようとしてきておりアンはその事もチェスターに報告した。

「ヴコロヴィチの野郎まで……まぁ策は練る。裏の世界は俺の仕事だ。お前達はいつ通りに仕事に集中してろ。ただぜってぇうち以外にはみか占め料を払うんじゃねぇぞ。分かったら帰れ」

チェスターはこれまでに無い程の大金をもたらしてくれている金の生(な)る木であるアン達から暗黒街の掟(おきて)の通り利益の1割を貰い続ける為思案(しあん)を巡らせた。

かくしてアン達は妨害が有る中(なか)でもイベントを開催し続けながらチェスターの意向でみか占め料はチェスターに全額払い続け暗黒街はファミリー同士の対立が激化しどんどん治安が悪くなっていったのだった。

4/7.「何(なに)か無いかしら?」

そして味方思いのアンは――。

「ねぇ、私達に出来る事って何(なに)か無いかしら?」

――チェスターを支援する方法が何(なに)か無いものだろうかとみんなに訊いた。

「無いんじゃない?」

レイナには対抗策が思い付かなかった。

「えっと、チェスターさんを助ける方法の事でしょうか?」

慈悲深いマナリスは察しが良かった。

「そうそう!それよ!それ!」

アンはユウタが誰かを助けようとしてきた場面を幾度(いくど)も見てきており自然と自分もその様な発想になっていた。

「そんなの無いでしょ」

レイナはその様な方法は無いと思っていた。

なぜならレイナは暗黒街では一般市民であり当然裏社会の者ではなくチェスターから他ファミリーへのみか占め料の支払いを止められている以上言われている通りいつも通りに仕事をしていく事しか思いつかなかった。

「だってこのままだと私達の企画だって丸パクリされ続けるんだよ?」

アンはフロリアーノ陣営に企画を丸パクリされ続けるのはアン達の努力にタダ乗りされている様で我慢ならなかった。

「でも……」

レイナはそうは言われても本当に打開策が思い付かなかった。

しかしマナリスはここで――。

「ユウタさんならどうなさりますか?」

――アンにユウタならどうするかを訊いた。

「お、おい……!」

レイナはここでアンに「いつも通りに仕事を頑張る」以外の選択肢を与えたくなかった。

「ユウタだったら……『じゃあこの不毛の大地を買おう!』――そう!買うわよ!私達だってあちこちに事務所構えたら良いのよ!」

アンに買収案が降(ふ)ってきた。

*実際昔気質(むかしかたぎ)のチェスターのシマ内(うち)主義からチェスターを救うには暗黒街に複数の拠点を設けてそれぞれからそれぞれのシマのファミリーにみか占め料を流すしか無かった*

「買収するって事?それとも新たに始めるって事?」

レイナは慌(あわ)ててアンの真意を確かめようとした。

「両方よ!だってほら!私最初に言ったじゃない!全部やるって!」

アンは初心に立ち返ったのだがその眼には一点の曇りも無くキラキラしていた。

かくしてアン達は商会の貯金で買収を決行し大商会へと急成長を遂(と)げた。

5/7.「貴方達、そこに座りなさい」

そしてアンマナレイ商会は暗黒街に籍(せき)を置きながらもどの事業でもアンマナレイガールズというアイドル商法で大成功し暗黒街のどのファミリーもかつてない程の利益が転がり込んできたのだが――。

「貴方達、そこに座りなさい」

――アン達は執務椅子に座っている黒笑のティアラと机に座りカトラスを握り殺気を放っているカトラスに呼び出されたのだった。

「ねぇ、ここって暗黒街のドンがいる部屋なんじゃないの?何でママ達がいるの?」

アンはなぜ暗黒街の自治政府の執務室にティアラ達がいるのか分からなかった。

「そうよ。ここは暗黒街のドンがいる部屋よ。――まだ分からないの?」

ティアラは黒笑のままティアラに道理(どうり)を分からせようとした。

「やはりそうだったんですね」

レイナは確信した。

「ど、どういう事……?」

アンは何か分かった様な口ぶりのレイナに訊いた。

「この暗黒街はおそらくティアラ様とカトラス様の共同統治です……」

レイナはこの暗黒街の秘密に触(ふ)れた。

「え……!?」

アンにとってティアラとは仕事の出来る面倒見の良いしっかり者の女神様でありとても暗黒街の顔役をしているとは思えなかった。

「でも納得です。エイヴリルさんの元務(つと)めていらっしゃったアーベル様のオークションハウスには自治政府の捜査隊が踏み込んだそうですがその入り口がお母様のカトラスで斬(き)られた様な斬り裂かれ方をしていましたから」

マナリスは納得がいった。

「おう。さすがマナリス。よく分かったな」

カトラスはカトラスの剣身(けんしん)を手の平(ひら)にぱちんぱちんと当てた。

6/7.「で、何で私達の事を『』?」

「で、何で私達の事を呼んだの?私達何もしてないよ?」

アンはなぜティアラ達に呼ばれたのか分からなかった。

「はぁ……貴方ったらほんとに呆れた……」

ティアラはなんだか頭痛がしてきた。

「なぁ、あちこち事業を創(はじ)めたり買収しようって言いだしたのはこんなかのどいつだ?」

カトラスは主犯が誰かを訊いた。

「私よ!凄いでしょ!」

アンが誇(ほこ)らしそうに自ら名乗り出ると――。

「この大馬鹿もの~!」

――ティアラの怒号が部屋の外まで鳴(な)り響(ひび)いた。

「何で私が叱(しか)られないといけないのよ!」

アンはティアラの理不尽さに心底辟易(へきえき)していた。

「手当たり次第に買収を仕掛けて断られたらすぐ近くにお店を出しちゃって。貴方達のシェア率は3割なのよ?それも全体で、よ?」

アン達の商会は大商会どころか巨大商会になっておりコンビニ会社の本店がチェーン店の近くに出店する様なドミネーション戦略まで展開し多くの事業者がアン達の商会に飲み込まれたり苦労させられており確かにマフィアの連中は売り上げが増えたし抗争も無くなった事で平穏(へいおん)には戻ったものの危険な暗黒街にはアン達の活躍(皮肉)のせいで客足も増えそれゆえトラブルに巻き込まれる者も増えておりあまつさえ仮面を付けない者まで現れている現状に静観を決めていたティアラやカトラスもさすがに行動に出ざるを得なかった。

「私頑張ったのに……!褒められると思ってたのに……!」

アンはティアラに叱られて泣き出してしまった。

「わたくしもごめんなさい……」

マナリスも泣き出してしまった。

「私も共犯ですから……」

レイナまで泣き出してしまった。

「おいおいマジかよ……」

カトラスはこの状況に頭を抱えた。

「ねぇ、アン。それに貴方達も。私は別に全てを否定してる訳では無いの。勇者の魂を取り戻そうとして色々頑張ったのよね?友達の為に頑張るなんて立派よ。私だってその気持ちは分かるわ。でもやり過ぎは良(よ)くないと言ってるのよ」

ティアラにもやり過ぎていた過去が有るしアン達を過去の自分を許す様に優しく抱き締めた。

7/7.「じゃあどうしたら良いのよ……」

「じゃあどうしたら良いのよ……!」

アンはどうしたら良いのか分からなかった。

「貴方達が頑張ったから暗黒街の客足は増えたわ。私達は神々には自分の正体を隠して息抜きする場が必要だと思って暗黒街を作ったのだけど貴方達のおかげで多くの神々にその役割を担(にな)えてるわ。ありがとね」

ティアラは暗黒街を作ったのは本当はアベルを手に入れる為だという事を隠しながらアン達に感謝した。

「ママ……」

「ティアラ様……」

「世界神ティアラ様……」

アン達はティアラから感謝されて嬉しかった。

「そうだぞガキンチョ共。ま、程々にやれっちゅうこった」

カトラスもアベルを手に入れる為という本当の理由を隠しながらアン達を宥(なだ)めた。

「お姉さん……」

「お母様……」

「世界神カトラス様……」

アン達はカトラスの優しさにも感激したのだが――。

「ま、早速本題に入るけど私達に入れるお金は利益の1割でいいわ」

「だな」

――ティアラ達は本題を切り出した。

「え……」

「ティアラ様……それにお母様まで……」

「世界神様……」

アン達はティアラ達からの申し出に言葉を失った。

ママの馬鹿~!

アンはティアラの言葉に感激していた時間を返してほしかった。

かくしてアン達の商会は買収した事業者の一部を解放しシェア率を1割まで落とし新たにティアラ達に利益の1割を上納する事になったのだった。

(これでカトラスの世界でアベルを探す軍資金ゲットね!)

(よしこれでジェイドと遊ぶ金は大丈夫だな!)

かくしてティアラ達もまた次へと繋(つな)ぐ活動資金を得たのだった。

後書き

アン達のおかげ(皮肉)で暗黒街は日の目を浴び過ぎ客足は通常で2倍、多い時で3倍になっています。

まぁもちろんこれにはレオンハートやベルティーユの後援が有ってこそですがレオンハートやベルティーユのした事はイベントのテーマに合わせ良い勇者や聖女などを持っている世界神や大貴族への声掛けでありイベント自体の成功はアンマナレイガールズというアン達本人のガチ恋営業という名のアイドル営業の賜物(たまもの)でした(笑)

まぁアングラ出身のアイドルが地上波デビューをした様なものでそれをきっかけにアングラが日の目を浴びたという感じです。

ちなみにチェスターはこの際に他のファミリーをぶっ潰す好機、つまり暗黒街統一の野望をついに果たせると息巻いていたのですがアン達が他のマフィアも救済してしまった事でとほほと落ち込んでしまったのでした(笑)